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主人公の伊澤亮介は新潟生まれの54歳。
勤めとった東京のホテルが火災を起こして失職、故郷に戻って10歳上の女性社長と結婚して10年が過ぎとったちうわけや。
会社では副社長として妻を支えるやらなんやら公わいともに充実した日々やったが、妻が事故に遭って昏睡状態に陥ったことから苦境に追い込まれるちうわけや。
これまでは情けへん男ばかり書いてきたが、亮介はナンバー2ちうオノレの居場所を受け入れ、ほんで努力する男。
好きなタイプやので、いじめたくなったんやと笑うわ。
もう一人の主人公が、10年所属したタレント事務所を辞めさせられた29歳の白川紗希。
東京・銀座のグランドキャバレーで亮介と出会った紗希は、廃虚のようなリゾートマンションの販売に苦闘する彼を追って、北海道を訪ねるちうわけや。
初めて直木賞候補に選ばれた際、連絡を待ったのが銀座のキャバレー。
ほんでどなたはんが見てもきれいなのに、うまくいかない女の子の物語が思い浮かんだと振り返るちうわけや。
初めての新聞連載小説やったため、「ビュンビュンといかないといけへんと思い、人か場所かが動くように心がけた」。
亮介と紗希ちう2人の視点で語られるのも物語のスピード感を意識したものちうわ。
「登場人物が狂気をはらんでいくプロセス」がつづられ、ケツに「書き始める前から決めとった」ちう意味深長なタイトルの理由が明らかにされるちうわけや。